東芝が2017年の2月14日に予定していた、2016年度の第3四半期決算発表を3月14日まで延期した、というニュースが報じられて大騒ぎになってますね。
2月14日に開かれた記者会見では、綱川社長や志賀重範会長らが出席して、決算発表が延期になった理由や、東芝の現状などを話していました。
(綱川社長についてはこちらでまとめています⇒綱川智社長の経歴や大学などの学歴は?報酬カットで年収はいくら?)
また同じ日に、
東芝の原発事業で7150億円の損失が出ている、という発表とともに志賀重範会長が東芝の会長を辞任する、という発表がありました。
志賀会長といえば、長い年月にわたって東芝の原子力部門のトップだった人です。
東芝が長年抱えている問題である、原発事業の莫大な損失に対して、責任をとって会長を辞任するということなんですね。
そこで今回は東芝の会長である、志賀重範氏についてきになることをまとめました。
志賀重範の学歴や経歴は?
東芝の会長(2017年2月15日まで)の志賀重範(しがしげのり)氏は1953年(昭和28年)の12月13日に東京都に生まれました。
最終学歴は、東北大学工学部原子核工学科修士課程修了(1979年3月)です。
志賀氏は大学を卒業して新卒で東芝に入社します。
大学では原子核工学を専攻していたので、そのまま自然な流れで原子力関係の部署に所属して、原子力システム設計部長などを歴任します。
そして2006年に、彼にとっても東芝にとっても、「転機」となる出来事が訪れます。
東芝がアメリカのウェスティングハウスを買収したんですね。そして志賀氏は同社の上級副社長に就任しました。
この買収が東芝の凋落のすべての始まりでした(詳細はコチラでまとめています⇒東芝倒産の可能性が2017年にあっても国が助けるか?社員の退職金は?)。
当時の社長である西田厚聰氏(15代目:2005年6月~2009年6月)はこのウェスティングハウスの新規事業における巨額の損失を粉飾決算で隠ぺいして、
本人を含めて、社長3代にわたって東芝の原発事業の損失を隠ぺいします。
この問題が発覚したのは2015年でした。
その後、東芝が、
- 西田厚聰(15代目社長:2005年6月~2009年6月)
- 佐々木則夫(16代目社長:2009年6月~2013年6月)
- 田中久雄(17代目社長:2013年6月~2015年7月)
ら他2人を起訴して、2015年の11月に裁判になりました。
もちろん、東芝の経営陣による、この一連の不祥事というか不正の事実は全国に知れ渡り、そこから東芝の凋落が一気に加速することになりました。
そんな東芝は経営再建を目指して2016年の6月に、19代目の社長に綱川智氏を選び、このとき同時に志賀重範氏が東芝の会長に就任しました。
それから綱川社長は不正の限りを尽くした東芝の15~17代目の社長たちの、後始末に追われます。
志賀重範氏も、歴代社長たちによって隠ぺいされていた東芝の原発事業の損失(7150億円とのこと)について、責任を取って会長を辞任することになりました。
志賀重範氏は、2017年の2月15日付で、東芝の会長を辞任して、2017年の6月まで執行役として問題解決に取り組むことになります。
さて、2016年に東芝の会長に就任した志賀重範氏ですが、彼は東芝の経営陣による、一連の不正とは無関係だったんでしょうか?
志賀重範は東芝の悪いことに関わってた?
志賀重範氏は、2006年のウェスティングハウスを買収から始まった経営陣の粉飾決算などの不正行為を、
少なくとも知っていた、
と考えるのが自然だと思うんですよね。
当然ながらこの件に関しては「彼はグレー」という判定だったので、会長に就任するにはちょっと無理がある、と周りには思われていたそうです。
でも2016年の6月に、志賀重範氏は東芝の会長に就任することになりました。
その理由としては、
国策でもある原発事業を展開するうえで、原発に精通している志賀氏の存在がどうしても欠かせなかったから、
というものが考えられるそうです。
多少グレーで東芝のイメージの低下につながっても、彼ほどの原発のスペシャリストがなかなかいなかったので、会長に就任させた、といったところでしょうか。
真実は闇の中、ですね。
まとめ
今回は東芝の志賀重範会長が東芝の会長を辞任する、という発表をうけて、彼のことが気になって調べたことをまとめました。
彼は2017年の6月までは東芝の執行役としてまだまだやることがたくさんあると思います。
辞任するだけじゃなくて、残された東芝の社員さんたちのためにも、少しでも会社が良くなるように行動してほしいところですね。
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