東芝が2017年の2月14日に予定していた、2016年度の第3四半期決算発表を、3月14日まで一カ月も延期した、というニュースが報じられて世間では大騒ぎになってます。
それに伴って、東芝の綱川智社長や志賀重範会長らが出席する記者会見が開かれて、決算発表の延期の理由と、東芝の現在の状況などが説明されました。
(志賀重範会長についてはこちらでまとめています⇒志賀重範会長の大学などの学歴や経歴は?悪いことに関わってたの?)
東芝といえば、アメリカの原発事業に関する粉飾決算で、社会的信用が地に落ちただけでなく、その事業での損失が7000億円を超える試算になっているという、
もはやがけっぷちの元優良企業
です。
現在の東芝の社長である綱川智氏は、ほんとに一番大変な時期(2016年6月)に東芝の社長に就任したものです。
こういう状況だと、世間はどうしても社長に矛先を向けて、責任を追及しがちですが(もちろんそれも正しいことなんですが)、
綱川社長はいま、先代社長の尻ぬぐい(後始末)をやらされているわけなんですね。
東芝の15代目~17代目までの社長三代にもまたがっておこなわれた、無茶な買収劇や粉飾決済などの不正問題の尻ぬぐいです(詳細はこちらでまとめています⇒東芝倒産の可能性が2017年にあっても国が助けるか?社員の退職金は?)。
今回はそんな不運(?)の東芝の社長、綱川智氏のことについて気になったことをまとめました。
綱川智の経歴や学歴は?
綱川智(つなかわさとし)氏は、1955年(昭和30年)の9月21日に東京都に生まれました。
最終学歴は、東京大学教養学部修了(1979年3月)です。
綱川社長は大学を卒業して新卒で東芝に入社します。
それからおよそ10年後の1989年から、綱川社長は東芝グループの超優良子会社の一つ、東芝メディカルシステムズの海外拠点と国内拠点に駐在したあと、
2004年から東芝アメリカメディカルシステムズ社長兼東芝アメリカMRI社長に就任。
そして2010年には東芝メディカルシステムズ代表取締役社長に就任しました。
東芝メディカルシステムズは、医療機器の製造販売では日本1位、世界で4位というトップクラスの医療機器メーカーです。日本のX線CTのシェアは60%、超音波画像診断装置(エコー)のシェアは35%で、ともに日本ではトップです。
綱川社長はそんな優良企業の社長として活躍していました。
そしてその実績をかわれて、2015年に、東芝の副社長に就任しました。
当時の社長は18代目の室町正志氏でした。
2015年といえば、東芝の15代~17代目(西田、佐々木、田中)の、社長三代にまでまたがる大規模な粉飾決算が発覚して、裁判も行われて東芝の信用が失墜してしまう、というとても大変な時期です。
綱川社長はそんな時期に副社長に就任してしまいました。
また、それどころか、
綱川社長は2016年の6月に、東芝の第19代目の社長に就任してしまいます。当然ながらこの時期も、東芝のアメリカ原発事業の巨大損失の問題は山積みでした。
綱川社長は2016年に、東芝の経営の再建のために
- 古巣の東芝メディカルシステムズを売却
- PC・TV・白物家電といった不採算事業の分離・売却
- 希望退職者の募集、
- 来季(2017年4月入社)の新卒採用の中止
などの施策をおこないます・・・
そして綱川社長は、なんとか2016年内にはアメリカ原発事業の巨額の減損処理を終わらせて、ウエスチングハウス(WH)の新規原発事業を形にしたかったんですが、
結局それはかなわなかったんですね。
さらに、2017年の2月14日に発表されるはずの決算報告が一カ月先延ばしになりました。
3月14日には東芝の決算の発表が行われますが、それまでになんとしても債務超過だけは避けたいところなので、綱川社長は資産の売却などに走って金策をしないといけません。
決算発表の後ももちろん、組織の再編成や、今後の事業展開など、問題が山積みです。そして6月には株主総会。
メディアや世間からの風当たりが強い中、少しでもマシな方向にいくように努力していくしかないんですよね。
大変な立場です。
綱川智は報酬カットでも年収はどれくらいになの?
綱川社長はアメリカの原発事業の巨大損失問題を受けて、役員報酬の大幅カットを実行すると発表しました。
綱川社長は自身の役員報酬を90%カットするそうです。
かなり年収も下がりますよね。
とはいっても東芝の社長です。それなりのお給料をもらっていると思います。
年収にしていくらぐらいもらっているんでしょうか?
実は東芝の17代目の社長である、田中久雄氏の年収は2013年度で一億円超だったそうです。
・・・・
・・・・うらやましい。
綱川社長は役員報酬はいくらもらっているのかはわかりませんが、
仮に年収が1億円で、役員報酬がそのうちの6000万円くらいだとすると、90%カットで、600万円くらいが残るとすると、
年収は4600万円になるということですね。
一般人からするとそれでも凄い額ですが、役員報酬90%カットはかなり大きいんですね。
まとめ
今回は東芝の第19代目社長の、綱川智さんについて気になることをまとめました。
綱川社長は今まさに人生最悪の時を迎えてるかもしれません。でもこれを乗り切ったらなにかしらいい方向にことが動く可能性もあるはずです。
約19万人もいる東芝グループの社員さんたちのためにも、なんとかやりきってほしいですね。
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