この世界の片隅にの傘の意味は?初夜では役に立たなかったみたいだけど笑

アニメ映画「この世界の片隅に」にはいろんな伏線というか不思議に思う要素がたくさん盛り込まれていて、とても想像力が掻き立てられる作品ですね。

また、物語の舞台が昭和の戦時中の時代だということもあり、当時の広島の日常や当時のしきたりや文化などを、かなりきめ細かく描写しているので、

現代との違いにカルチャーショックを受けたりしてとても新鮮な気分を味わえますね。

今回はそんな「この世界の片隅に」の物語の中で、カルチャーショックを受けたもの一つ、

「傘の意味」

について考えてみたいと思います。

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「この世界の片隅に」で傘と言えば・・・?

「この世界の片隅に」で傘の話が出てくるのは、「すず」の結婚相手(周作)が決まる直前に、おばあちゃんが「すず」に晴着を渡すシーンでの会話の中です。

おばあちゃん:向こうの家で結婚式を挙げるじゃろう、その晩に婿さんが「傘を一本持ってきたか」言うてじゃ。ほしたら「はい、新(にい)なのを一本持ってきました」言うんやで。

おばあちゃん:ほいでむこうが「さしてもええかいの」言うたら「どうぞ」言う。

おばあちゃん:ええか?

すず:なんで?

おばあちゃん:なんでもじゃ

すず:(・・・・うちは大人になるらしい)

(↑この可愛すぎるすずさんの反応に微笑んだ人も多いと思います)

電子書籍版の原作漫画でいうと上巻に収録されています。

 

まあ「傘の意味」とか考えるまでもなく、新婚の夫婦が初夜を迎えたときに「ならわし」として行うやり取りであることは想像できますよね。

この「傘のやりとり」は「この世界の片隅に」の作品の中にだけ存在する創作のものだそうですが、原作者のこうの文代さんが考えたんでしょうか?個人的には相合傘をイメージさせるやりとりですが、これまた微笑ましいものですね。

ただ、この傘のやりとりが創作だとしても、こういった2人の男女が行為の前に行うやりとりは実際に存在していて、「柿の木問答」が有名ですね。

具体的なやりとりの例としては、

男:あなたのところ、柿の木ありますか?

女:ありますよ

男:たくさん実がなりますか

女:たくさんなりますよ

男:ぼくが上がってちぎってもいいですか?

女:いいですよ

男:じゃあ、ちぎらしてもらいます

・・・という感じで昭和初期まで全国的に行われていたそうです。

ただ、この「柿の木問答」、新婚夫婦とか初夜とかだけでなく、夜這いのときなどのかなり生々しいやりとりでも使われていたみたいですね。

周作とすずの間では成り立たなかった「傘問答」

さて、

こうして(?)すずと周作はめでたく夫婦になり、無事に初夜を迎えることになりました。

肝心の周作ですが、彼は祝言のとき、ずっとふさぎ込んだままでした。出されたご馳走にもほとんど手を付けずにうつむいていましたね。

「すず」は一度も会ったこともない周作と結婚していきなり夫婦になって、めちゃくちゃ不安と緊張感があったと思います。

なのに周作がそんなだから、「男のおまえがそんなんでどうするねん!」と思ったのは管理人だけではないはず。

なんで周作はあんなにテンションが低かったのか、その理由はアニメでも原作の漫画でも語られなかったですが、勝手に想像をすると周作は「りん」のことを考えていたんだと思います。ホンキで結婚する気でいましたからね。

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まあそれはともかく、

「すず」はテンションが低いままの周作と初夜を迎えてしまいます。

そして気まずい雰囲気の中、周作はやはり

周作:すずさん、傘はもってきとるかいの?

と切り出します。

そして「すず」が「はい、新なのを・・・」と言いかけると、周作は本当に傘を取りに行って、それで干し柿を取って持ってきたんですよね。

どうやら周作は「傘のやり取り」を知らなかったようです(笑)

しかも、持ってくるのがよりによって柿だなんて・・・なんて皮肉なシチュエーションでしょうか。

それにしてもなんで、周作は「傘の意味」を知らなかったんでしょうか?

なんで周作は傘の意味を知らなかったのか?

たぶん、「すず」に傘の意味を伝えたおばあちゃんの教えは、もはや廃れつつある知識だったんだと思います。

「すず」たちの世代からすると、ちょっと時代遅れの習慣になっていた可能性はありますね。

たとえば、恋愛結婚なんて当時はかなり珍しいものでした。でも、逆に言うと恋愛結婚する人がチラホラ出てきていたということが言えます。

実際に周作の姉の径子は、恋愛結婚をして家を出ていますし、何より周作は遊女の「白木りん」に惚れて結婚しようとしていました。

時代背景的にも、古い価値観が廃れて新しい価値観が生まれ始めるタイミングだったのかもしれません。

そう考えると、周作が「すず」との初夜にかました天然ボケも納得がいきますね。

もちろん、

昭和初期までの日本は、男女が個人的に恋愛結婚するという発想は珍しく、家と家が結婚するという価値観でした。個人の幸せというよりも、家の繁栄を最優先にすることが、全体の幸せとしての結婚の目的だったんですね。

なので、好きとか嫌いになる暇もなく初対面で結婚が決まる、ということがぜんぜん珍しくなかったんですね。

その部分は「すず」と周作も習慣として受け継いでいますね。ほとんど初対面で好きでもないのに結婚していますから。

「すず」と周作は、人さらいのバケモノのカゴの中で一度会ってますが、「すず」はそれを覚えていないし、

周作は覚えているけど、「りん」と結婚できなかったから急いで探した結婚相手が「すず」だった、という背景もあるわけですし、

少なくとも恋愛結婚では全然ないですよね。

ただ、「傘のやり取り」は彼らにとっては古すぎたのかもしれません。

まあそれにしても微笑ましいやりとりだこと・・・。このシーンはアニメでも漫画でもいつ観ても顔がほころんじゃいますね。

アニメ映画「この世界の片隅に」はU-NEXTで無料で視聴ができますよ。



昔の男女は大変だったのか?

今の価値観で考えると、初対面で結婚とかはありえない、とんでもない文化だなという意見が一般的だと思います。

でもそれは一概には言えません。当時はそれ以外に選択肢はなかったわけですし、それでうまく行っていたからそういう習慣になったわけですしね。

ただ、そこに海外からの大陸文化が入ってくると当然価値観も変わって、日本の「家」という概念が形を変えて、「結婚」の意味も変わってきます。

その結果として今では恋愛結婚が主流になっていますね。(離婚率は年々上がってますが)。

とある知り合いの高齢の方に結婚の話を聞くと、

(自分の場合は)結婚してから嫁のことが大好きになった、歳を追うごとに好きになっていった

と言ってました。

全員がそうだとは思いませんが、昔は昔でステキな結婚もあったってことですよね。

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